外耳道から出てくる分泌物(血液、膿など)のこと。出てくる場所が、一番手前の外耳道、奥の鼓膜・中耳(鼓膜の内側で頭蓋骨まで)、更に奥の内耳(耳の頭蓋骨にうもれた部分)と3つに分かれます。
第1鰓溝奇形は外耳の奇形で、外耳道に開口する瘻孔から分泌物が出るものです。手術療法をします。糖尿病を合併する場合、悪性外耳道炎といって、緑膿菌感染が難治化し外耳道骨部へ炎症が及び、重症化することがあります。抗生剤内服や点滴します。
外耳炎、耳せつ、鼓膜炎、急性中耳炎、急性乳様突起炎、慢性穿孔性中耳炎は、抗生剤で治療します。急性乳様突起炎は、手術することもあります。
外耳道真珠腫、真珠腫性中耳炎、は、局所の清掃と基本的に手術します。
コレステリン肉芽腫は、ステロイド内服や換気チューブを鼓膜に留置したり、手術療法をすることも多いです。
外耳道真菌症は、耳洗して局所を清掃し、抗真菌薬の塗布や内服をします。
外耳道癌は、手術療法が基本です。
好酸球性中耳炎は、ステロイド内服が基本です。
結核性中耳炎は、抗結核薬内服をします。
側頭骨骨折は、難聴や顔面神経麻痺を伴うことがあります。頭蓋内の損傷の程度などにより手術療法などが選択されます。
意外に広範囲に耳痛を来す病気があります。責任部位別に見ていきます。
外耳、中耳は直接的な痛みです。
その他の部位のうち、急性咽頭炎、急性扁桃炎は、放散痛*といって耳にのどと同じ神経の分枝があるため、のどが痛いと耳も痛く感じるというものです。顎関節症は、あごを開閉する筋肉の痛みですが耳の近くなので耳の痛みとしても感じるものです。舌咽神経痛は、のどの痛みを感じる神経が動脈により圧迫される為生じるものです。
悪性腫瘍のうち、聴器癌は、外耳や中耳に出来る癌なので直接的な痛みです。
中咽頭癌は、放散痛*です。
聞こえが悪くなる疾患は、非常に多く網羅しきれませんので、代表的なものを解説します。
音が耳を経て脳へ伝わるまでの経路のどこが原因かによって分類されることが多いので、以下に記載します。
まず、音が耳に入って鼓膜を振動させ耳小骨を経由して音を聴く細胞に至るまでを、伝音難聴。
音を聴く細胞で音を感知するところを迷路性感音難聴。
そこから、聴神経を経由して大脳の聴皮質までを後迷路性難聴と分かれます。
聴力検査として、被験者の協力を得て行う検査として、オージオメーターを使用して行う標準純音聴力検査、標準語音聴力検査があります。
他覚的検査(乳幼児でもできるし、意識がなくても出来る。わざと聞こえないようにみせかけることが出来ない。)として、検査音を聴いて脳波の反応を測定するABR(聴性脳幹反応)、ASSR(聴性定常反応)、外来音に対する内耳の反応を見るOAE(耳音響放射)等があります。
乳幼児には、音に対する反応から聴力を測定するBOA(聴性行動反応検査、新生児-3ヶ月)音に対する条件反射を利用したCOR(条件詮索反射聴力検査、4ヶ月-2才)遊戯聴力検査(3-4才)などがあります。
治療方法は原因によって異なります。
こどもが言葉を覚えるためには、耳から言葉を聞かなければなりませんが、難聴のためにそれが出来ず、言葉の発達が遅れたりしゃべれなくなったりと言うことがあり得ます。早くから補聴器や、重症の場合は人工内耳などを使っていくことで、対処します。
実際に外耳道がつまるのは、耳垢、異物(玩具など。子供に多い)外耳炎による分泌物、中耳炎の分泌物(真珠腫性中耳炎も含めて)、外傷による出血、腫瘍増殖(外耳癌を含む)などによります。
外耳道に詰まっているものがないのに、詰まった感じがするのは、中耳(鼓膜と頭蓋骨の間の空間)が原因のものは、耳管狭窄症、滲出性中耳炎、耳管開放症、など。
内耳(耳の頭蓋骨の中に埋もれている部分)では、低音障害型感音難聴、メニエール病、突発性難聴など。
さらに、耳から大脳皮質に至る経路に生じる異常として聴神経腫瘍などの脳腫瘍があります。
また、サーファーズイヤーのように冷水刺激で外耳道の骨増殖を生じ外耳道自体が後天的に狭くなる場合もあります。
生まれつき外耳道が狭い場合は、上記の原因でも極初期の段階で症状が出ます。
外耳炎、中耳炎では、外耳道内の分泌物をきれいに吸引して、抗生剤の点耳、内服などをします。中耳炎は、副鼻腔炎が原因のことがほとんどなので、鼻の治療も併せて行います。
耳管狭窄症、滲出性中耳炎は、鼻の炎症が原因なので抗ヒスタミン剤、点鼻薬、抗生剤などを投与します。
低音障害型感音難聴は、ステロイド内服または、点滴と循環改善薬などの内服。
メニエール病の初期でも同じ症状が出ることがあり、イソバイドを投与することがあります。
音がビンビン響いて、つらい。(聴覚過敏)自分の声が大きく聞こえる。(自声強調)
聴覚過敏は、内耳性の難聴(聴覚細胞の障害)によることが多いです。突発性難聴、音響外傷等。顔面神経麻痺の時、耳小骨筋の麻痺により、鼓膜を動きにくくして強大音を防御する機構がうごかなくなることがあります。原因となる病気の治療で軽快します。
自声強調は、滲出性中耳炎や耳垢栓塞、耳管開放症等で生じます。耳管開放症の場合、頭を低くすると(仰臥位など)症状が治るのが特徴です。
耳管開放症は、妊娠や体重減少によることが多いです。投薬などで治療します。
現在、聞こえの検査として新生児の聴力検査と3歳児検診が行われています。
いつまでもしゃべらない、返事をしないなどから難聴が疑われます。
また、発音がおかしいこともあり得ますが音自体はちゃんと発音できるのに順番がまちがってしまうとき(さかな→さなか、など)や3歳児でサ行、ラ行の発音が言いにくいときは、聞こえは良いことが多いです。
聞こえの検査法として、乳幼児には、音に対する反応から聴力を測定するBOA(聴性行動反応検査、新生児-3ヶ月)音に対する条件反射を利用したCOR(条件詮索反射聴力検査、4ヶ月-2才)遊戯聴力検査(3-4才)などがあります。
また、ABR(音に対する脳波の反応を検出する。)、OAE、ASSRなどの子供の反応を必要としない検査があります。
治療は、原因によって異なります。こどもが言葉を覚えるためには、耳から言葉を聞かなければなりませんが、難聴のためにそれが出来ず、言葉の発達が遅れたりしゃべれなくなったりと言うことがあり得ます。早くから、補聴器や重症の場合は人工内耳などを使っていくことで、対処します。
難聴は、浸出液による伝音難聴が大半だが、卵円窓、正円窓などから内耳に細菌感染を生じ感音難聴もあるので聴力検査が必要です。
頭痛は、髄膜炎の症状のことがあり、髄膜刺激症状などもチェックする場合があります。
3大起炎菌(肺炎球菌、インフルエンザ桿菌、モラクセラ・カタラーリス菌)
感染経路:鼻内の細菌やウイルスが耳管経由で上向感染したのが大半です。俗にいう外耳道から水が入ったというのは、鼓膜穿孔がない場合(大半の症例が当てはまる。)成り立ちません。
抗生剤、抗ヒスタミン剤、鎮痛解熱剤
急性中耳炎発病後3ヶ月以上経過した場合、慢性化したと考えられています。
気管支喘息患者における難治性中耳炎
特徴:膠状の中耳貯留液に多数の好酸球が認められます。
*消炎鎮痛剤のアレルギーに注意
**好酸球性副鼻腔炎との関連が指摘されて。詳細は不明。
耳疾患のない健康な人に、突然原因不明の高度感音難聴が発症する事があります。50歳代前半が多く、年間約25000名の発生数が推定されています。通常一側性であり、両側性のものは全症例の約7%です。突発的であっても、原因の明らかな場合は、突発難聴と称し、区別しています。
突発的な高度難聴を起こす疾患:
外傷、聴器毒による難聴、おたふくかぜ、外リンパ漏、メニエール病、聴神経腫瘍、白血病、人工透析による難聴など。
*感音難聴とは、内耳の内有毛細胞から蝸牛神経を経て中枢までの聴覚伝導路の障害。外耳から鼓膜耳小骨までの伝音系より中枢側。
さらに最近大学などでは、ステロイドの鼓室内注入、IGFの鼓室内注入などが行われていますが、一般的ではありません。
1/3が完全回復、1/3が部分回復、1/3が無効
発症後1週間以内に治療開始すれば、予後はよいです。1ヶ月以上では、治療適応はありません。
めまい併発例では、予後が悪いです。
突発性難聴と同じように、急に低音部だけが聞こえにくくなることがあります。 診断基準は、以下の通りです。
メニエール病の初発症状として現れることがあります。 男女比は、初発例は、1:3、再発例は、1:11.5 と女性が多く、平均年齢は、男女とも30代です。
グラフの例のように、61%の治癒率があります。
<自律訓練法標準公式>