冷房の影響などで、咳が長引いて受診される方が増えています。
3週間以上続く咳を、遷延性咳嗽といい、8週間以上続く咳を慢性咳嗽と言います。
1.遷延性咳嗽の原因として、細菌性副鼻腔炎、百日咳、肺炎クラミジア、マイコプラズマなどがあります。
2.慢性咳嗽の原因として、
胃食道逆流症は、胃酸がのどや鼻の後ろ(上咽頭)まで逆流してのどの違和感や、耳閉感などを来したり、げっぷや胸焼けを来します。欧米の報告では、慢性咳嗽の38-83%にこれが関与しているとの報告があります。内視鏡でみると、喉頭の後部の披裂部というところが、発赤している所見や、喉頭後部の粘膜肥厚がみられます。
咳は、肺の病変が原因となることが多いのですが、アレルギーなどが原因となって、のどの炎症による咳に加え、鼻の炎症を合併して鼻汁がのどの奥に流れて刺激になり咳を長引かすこともあります。
また、喘息になる手前の咳喘息になってステロイド治療が必要になっている方もおられます。
内視鏡下に気管粘膜の発赤がみられて、気管支炎の所見のある方もおられます。
咳止めを飲んでいても、なかなか治らない咳は、いちど診察を受けられた方がよいと思います。