札幌で開催された、日本耳鼻咽喉科学会総会に行ってきました。
5/16が初日で、前日の5/15夕方から札幌入りしました。気温が夜9度昼間12度と寒く、びっくりしました。桜もまだ咲き残っていて、さすがに北国だなと実感しました。
学会では、いろいろなセミナーや発表がありましたが、
1) 嗅覚障害の診断と治療
2) 外リンパ瘻
3) 好酸球性副鼻腔炎
の3つのテーマを主にききました。
“感冒後嗅覚障害”という鼻粘膜の嗅覚センサーの障害の解説がありました。更年期以後の女性に好発するので、ホルモンとの関連が疑われる疾患です。文字通り、かぜをひいて臭いがしなくなるという症状です。治療としては、当帰芍薬散の内服や、ステロイド点鼻薬を使い、70%位が治癒または軽快するという結果です。ただ、何ヶ月も服薬しないといけないので我慢が必要です。
きつく鼻をかんだり、ダイビングや航空機搭乗で中耳腔の気圧の変化が内耳に及び内耳の中の外リンパ液という液が漏れだして、難聴やめまいを来すという病気です。従来突発性難聴といわれていた中に、この外リンパ瘻が混じっていることがあります。この病気は、自然に液漏れが治らなければ、手術的に漏れている場所を閉鎖すると聴力改善や、めまいが治ったりします。CTPという内耳特有の物質を,中耳腔内に検出すれば、診断確定になりますが、その検査は、保険適用がなく、一般の施設ではできません。普通は、試験的鼓室開放術を行い、内耳液の漏出を調べます。
成人になってからの発症が多く、ポリープが多発し、鼻閉、嗅覚障害をきたす疾患です。気管支喘息の合併率が高い。手術でポリープをとっても、再発しやすい。中耳炎の合併もあります。(好酸球性中耳炎)鼻汁中の好酸球が非常に多いという特徴があります。 ステロイド内服でポリープは治りやすいですが、長期のステロイド服用が必要になることがあります。
札幌まで往復の時間はかかるし、寒いしでちょっと疲れましたが、久しぶりに学会に行って熱心に発表される先生方を見て、自分もしっかり勉強しなければと思いました。いい刺激になりました。
皆様により良い医療を提供できるよう、今後も積極的に学会などで知識のレベルアップをしていきたいと思っています。